ムコスタ点眼で改善を認めたイヌ乾性角結膜炎の1例

2021年1月21日

獣医眼科の領域では、イヌのドライアイの定義化などは現在まで行われていません。しかしながら、涙液量の減少を伴う乾性角結膜炎(KCS)が、イヌのドライアイと一般的に考えられています。KCSの原因には、特発性、加齢性、薬剤性、外傷性などいくつかの原因に分かれますが、臨床の場で最も多いのは特発性KCSではないでしょうか。特発性は免疫介在の疾患である可能性がありますが、十分に解明されていないため、治療法も確立されているとは言えない状況でありますが、よく使用される薬には、免疫抑制剤の点眼治療と、二次感染に対する抗生剤点眼が主な治療薬となっています。しかし、十分な効果が得られないこともあり、治療に苦慮するケースも珍しくありません。今回、比較的新しい点眼薬で、ヒトのドライアイ患者にもちいられるムコスタを点眼することで、改善が得られた症例を紹介いたします。

症例は、左右の結膜の充血、角膜血管新生、眼脂で来院した7歳雄シー・ズーです。著しい涙液量の減少が認められ、免疫抑制剤の点眼、抗生剤内服及び点眼で治療開始しましたが、改善しないため、ムコスタ点眼に切り替えたところ十分な効果が得られました。

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論文Acceptのお知らせ

2020年2月19日

2020年2月にVeterinary Ophthalmologyにに投稿中でありました論文

“Histopathologic Changes Associated with Meibomian Gland Dropout in a Dog”

がacceptされました。近々、open accessが可能ですので、是非ご覧になって下さい。

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角膜補填材を用いて修復した猫の角膜欠損の一例

2019年6月2日

角膜に外傷性の穴が空いてしまった時や、広範囲な潰瘍性の病変が見られた時に、用いられる補填材として、自家角膜や結膜を用いるのが最適な方法ですが、うまく採取ができないことが予想される場合各補填材が用いられます。今回、角膜の内側に広範囲な欠損が見られ、眼房水の漏出が見られた症例で、Acell(豚膀胱粘膜由来)の補填材を用いて修復し、やや混濁は残ってはいますが、目に対しての救済処置を行うことができました。各補填材に関する文献は犬やネコで多数見られます。どの材料を使うかはその獣医師に委ねられますが、このような手技は非常に有効と思われました。

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論文Acceptのお知らせ

2019年1月4日

約1年がかりで取り組んできた論文がJournal of veterinary ophthalmologyにacceptされました。

題目は Assessment of meibomian gland morphology by noncontact infraredmeibography in Shih Tzu dogs with or without keratoconjunctivitis sick.   https://doi.org/10.1111/vop.12645 (犬の乾性角結膜炎におけるマイボグラフィ所見の評価)です。

いわゆる犬のドライアイ患者では、涙液の量的変化だけではなく、質的変化が起きている可能性があるという内容になっております。今後とも動物のドライアイに関する様々な調査を続けていかなければと思っています。

論文に携わっていただいた方々には感謝しかありません。

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2018年 ACVOに参加して

2018年10月9日

9月末にアメリカ、ミネアポリスで開催された獣医眼科の大会に参加してきました。昨年と同様ポスター発表を行ってきました。私の発表は、犬のマイボーム腺機能不全(ドライアイ)が見られた症例に温罨法を行った結果、改善が見られたと言う内容の症例発表でした。マイボーム腺の機能や疾患にはまだまだわからないことがたくさんあり、情報も少ないため、今後の研究に期待したいと思います。

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