角膜軟化症の一例

2015年3月31日

角膜軟化症という用語はあまり聞き慣れない言葉であると思われます。

医学領域における角膜軟化症と獣医学領域における軟化症は若干違うように思われ、獣医学で用いられる軟化症とは主に、融解性角膜潰瘍と同じような概念で、細菌感染による角膜実質の急速な融解ととらえられていると思われます。定義化されてはいませんが、あくまで外見での判断で、まさしく角膜が解けてるような所からきているのでしょう。この疾患の予後は決して良くはなく、角膜穿孔や眼内炎のため、眼球摘出が行われる事もある。

今回角膜軟化症と思われた症例に遭遇しましたので、治療経過などを報告したいと思います。角膜の強い混濁は残りましたが、視覚は温存できた症例です。

症例は雄(去勢未)、12歳、室内飼のチワワで、同居犬にチワワが一頭、オーナーが仕事から帰宅したら右眼が白く痛がっている、同居犬とけんかをしたかもしれないとの事で来院しました。

角膜軟化症1著しい角膜の白濁、前房の蓄膿がみられた。

角膜軟化症2好中球の浸潤、細菌の貪食像を認める。

角膜軟化症3初診時から10日目 角膜実質の強いダメージが伺える。

角膜軟化症4眼瞼縫合、瞬膜フラップを行い、主に抗生剤の内服、頻回点眼で何とか視覚温存ができた。

角膜軟化症5角膜軟化症6

角膜の形状に著しい変化がみられたが、次第に角膜は元の形状に復した。

カテゴリ:眼科診療 | タグ: