全身症状と眼疾患の関係

2014年10月27日

白内障や緑内障など眼科特有の疾患もありますが、全身疾患を眼の症状から疑うこともできるのが眼科の面白いところではないかと思っています。組織の炎症反応が強い場合、ぶどう膜という眼内組織に影響が表れ、房水(眼の中を流れている水)中に炎症細胞などが流入し、房水の混濁(眼フレアーと表現される)などがみられることがあります。また角膜の内側に、炎症細胞が付着する現象(KPとも言われる)などが確認できます。眼はこころの窓とも言われますが、体というのはいろいろなところにサインを出しているんですね。

 

症例は10歳ウエルシュコーギーで、眼球の突出、食欲元気がない、目をしょぼつかせるとのことで来院しました。

眼科検査では前房フレアー、角膜後面沈着物(KP)、結膜の充血、左眼の突出を認めました。

一般状態が急速に悪化し、確定診断はできませんでしたが、前房穿刺によりリンパ球様の細胞が採取されたため、リンパ腫などの腫瘍性疾患が疑われました。残念ながら数日後にワンちゃんは亡くなりました。

もちろん眼科検査だけの診断には限界がありますが、時には他の検査と同様な情報が得られると思われます。

図5 黒い点状のものが角膜後面沈着物(KP)

図6 左眼の突出が認められる。

図4 眼球下部に角膜の浮腫およびKPを認める

 

 

 

 

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