ムコスタ点眼で改善を認めたイヌ乾性角結膜炎の1例

2021年1月21日

獣医眼科の領域では、イヌのドライアイの定義化などは現在まで行われていません。しかしながら、涙液量の減少を伴う乾性角結膜炎(KCS)が、イヌのドライアイと一般的に考えられています。KCSの原因には、特発性、加齢性、薬剤性、外傷性などいくつかの原因に分かれますが、臨床の場で最も多いのは特発性KCSではないでしょうか。特発性は免疫介在の疾患である可能性がありますが、十分に解明されていないため、治療法も確立されているとは言えない状況でありますが、よく使用される薬には、免疫抑制剤の点眼治療と、二次感染に対する抗生剤点眼が主な治療薬となっています。しかし、十分な効果が得られないこともあり、治療に苦慮するケースも珍しくありません。今回、比較的新しい点眼薬で、ヒトのドライアイ患者にもちいられるムコスタを点眼することで、改善が得られた症例を紹介いたします。

症例は、左右の結膜の充血、角膜血管新生、眼脂で来院した7歳雄シー・ズーです。著しい涙液量の減少が認められ、免疫抑制剤の点眼、抗生剤内服及び点眼で治療開始しましたが、改善しないため、ムコスタ点眼に切り替えたところ十分な効果が得られました。

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