ネコの眼内腫瘍の一例

2016年4月23日

ネコの眼内の腫瘍は10歳以上のネコの虹彩や毛様体に多く発生がみられます。

品種や性別には差がないとされていて、広汎性黒色腫が最も多いと思われます。

症状は、虹彩の色調の変化(左右同じ色だったのに黒っぽくなってきた)や、瞳孔形状の変化や運動性の変化(環境の明るさによってあまり瞳孔の形が変化しない)などの初期症状がみられます。ゆっくり進行することが一般的ですが、眼内の出血が始まると急速に眼球の拡大がみられるようです。

今回の症例は、10歳、雑種のメス猫の眼内悪性メラノーマの一例です。数日前から眼球が大きくなってきたため来院されました。初診時の所見は著しい眼球拡大を呈し、正常な瞬きができない状態でした。超音波検査により、眼内腫瘍が強く疑われたため、眼球摘出術を行いました。病理検査では眼内悪性メラノーマで、長い年月を掛けて転移する可能性がある腫瘍との病理診断所見でした。

 一般的に眼球摘出術は臨床的にはどの施設でも行われている手技ではありますが、当院では約8年前からシーリングシステムを用いて眼球周囲の血管を止血し、切除を行っています。大きな血管ないと理由から、止血パウダーや軟膏を大量に眼窩内に入れ、止血を行うこともあるようですが、シーリングシステムを用いる事により、止血確認がしっかり行えるためこの機器の有用だと私は考えています。

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