角膜血腫様血管新生の犬の一例

2015年11月12日

 犬の血腫様の血管新生はしばしば老齢の犬にみられる疾患で、はっきりとした病変の割には、臨床症状に乏しく、飼い主さんも症状に気づいていないことも珍しくないと思われます。

2011年に行った我々のリサーチでは、10歳以上の雄の老犬にやや発生が多くみられました。現在のところ、まだはっきりとした原因は解明されてはいませんが、涙液の異常や、角膜上皮障害などの関与が疑われています。

 今回の症例は、血腫様角膜血管新生がみられた、10歳、雄のポメラニアンです。眼が出血していると来院されました。症例犬は強い痛みなどは呈していなく、涙液量などの一般眼科検査では明らかな異常はみられませんでした。治療は抗生剤の点眼を約1週間行いましたが、反応はみられず、再診時にステロイド点眼薬の処方をしたところ、著効を示しました。

 血腫様角膜血管新生の治療は、一般的に消炎剤などの治療が行われているようですが、この原因の解明がなされていないため、治療薬の評価などさらなる研究が待たれるところです。

ひょっとしたら、貴方のわんちゃんにも同じような症状が現れているかもしれません。

よーく観察してみて下さい。

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