犬の特発性ぶどう膜炎の1例

2015年7月28日 ぶどう膜とは虹彩、毛様体、脈絡膜から構成される組織の事で、眼の中で血管が豊富な組織とされています。その血管は特別な構造を持ち、眼球と特有の免疫システムにより、炎症をコントロールしています。様々な原因でぶどう膜の炎症がおきた結果、縮瞳、眼房水の濁り(フレアー)、低眼圧、眼内出血、などたくさんの症状がみられます。眼検査を行い、ぶどう膜炎が存在すると診断する事はそれほど難しいものではありませんが、問題は原因を確定するのが容易ではないことです。犬のぶどう膜炎の最も多い原因は、特発性つまりよくわからないケースで、約6割とされています。今回の症例も様々な検査を行った結果、原因を特定する事ができなく、特発性前ぶどう膜炎と診断した症例です。幸い、消炎剤の全身、局所投与により回復した症例でしたが、全身的な疾患に付随してぶどう膜の炎症が現れる事があるため、ただ眼の病気としてとらえられないのがこの疾患の診断の難しさではあります。 ぶどう膜炎1 写真1著しい縮瞳を認め、隅角の閉塞による高眼圧を呈していた ぶどう膜炎5 写真2眼内房水フレアーの存在 ぶどう膜炎6 写真3眼底検査、血液および血清学的な検査では異常はみられなかった。 カテゴリ:眼科診療 | タグ: