急性の眼球突出を示した唾液腺嚢胞の犬の一例

2014年11月24日

今回の症例は前回の症例に引き続き、眼球突出を示した犬の一例です。

初診時、瞬膜の突出で来院され、眼エコー検査で眼球後部に圧迫を加えている嚢胞状の構造物が確認されました。(図1)

鎮静下で精査を行うため、翌日来院されましたが著しい眼球突出を示していました。(図2)

口腔内、後臼歯付近に波動感があり、大量の液体が貯留していると思われ、そこから針を刺入し、内容物を抜く処置をしました。(図3)

内容物は非常に粘稠性が高く、排出にやや手こずりましたが、処置後には眼球は正常の位置に復しました。(図4)

その後約一年以上経過しますが、再発はありませんでした。

診断としては、眼球横に位置する唾液腺(頬骨腺)からの分泌液の貯留による眼球突出としました。

頬骨腺の唾液腺嚢胞の原因は、外傷、唾液腺の炎症、口腔内疾患があります。飼い主さんのお話では、初診日の前日にテーーブルに顎を強打したとの事でしたので、おそらく今回は外傷性の原因と思われます。

眼球突出には様々な原因が考えられますが、特に有効な検査として、眼超音波検査があげられます。

眼疾患は血液検査はもちろん、基本的な眼科検査をしっかり行うことが改めて重要と思われました。

610_6302_20130805094953.0(図1.眼球の突出は軽度で、瞬膜の突出が認められた。)

610_6328_20130806145020.0(図2.翌日の写真 著しく眼球が外側に変位)

610_6333_20130806152544.0(図3.波動感が感じられる部位で切開を行い、内溶液を除去)

610_6334_20130807091014.0(図4.切開処置翌日の所見。眼球がほぼ正常位置に戻る)

610_6305_20130805093822.0(初診時の超音波所見ー眼球後部に液体を含んだと思われるマス病変が認められる。)

 

 

 

 

 

 

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